胆石

胆石(たんせき)とは、胆嚢(たんのう)や胆管(たんかん)にできる結石(石)です。
結石のできる場所によって、①胆嚢結石、②総胆管結石、③肝内結石に分類され、それぞれ症状、治療法が異なります。
胆嚢結石は胆石の約80%と最も多く、一般的に胆石といえば胆嚢結石のことを指します。

症 状

胆嚢に結石があっても多くの場合は無症状で、症状が出るのは胆嚢結石をもっている方の20%程度といわれています。胆嚢結石に特徴的な症状は右季肋部痛(右の肋骨の下あたりの痛み)です。人によってはみぞおちや背中、右肩なども痛がったりします。これは胆嚢結石が胆嚢の出入り口をふさいで、胆汁の流れを妨げることにより起きます。その状態で胆嚢内に細菌が感染すると、高熱が出て、急性胆嚢炎という状態になり、早期の治療が必要になります。

原因・病態

胆石は、「コレステロール結石」と「色素結石」の2種類に分類されます。 最も多いのはコレステロール結石で、胆汁中のコレステロールの量が増えると、余分なコレステロールが溶けずに結晶化して、これを核にして結石ができます。胆汁中のコレステロールが増える原因としては、脂肪分の多い食事やカロリーの高い食事、肥満、脂質異常症、糖尿病、妊娠、急激なダイエットなどがあります。

色素結石にはビリルビンカルシウム石と黒色石があります。ビリルビンカルシウム結石は、大腸菌などの細菌感染が原因といわれています。黒色石の成分はビリルビンと重金属で、溶血性貧血や肝硬変、クローン病などの患者さんで多く見られます。

検査・診断の方法

無症状の胆嚢結石では血液検査で異常を認めません。胆嚢結石の診断に最も簡便かつ確実なのは腹部超音波検査(エコー)です。CT検査、MRCP(MRIを用いて胆嚢・胆管・膵管を撮影する検査)、超音波内視鏡検査(EUS)も胆嚢結石の診断に有用です。

治 療

胆嚢結石に伴う何らかの症状がある方は治療の適応となります。無症状の方は年に1~2回程度の腹部超音波検査(エコー)による経過観察が望ましいですが、積極的な治療の対象にはなりません。

胆嚢結石に対する治療は外科的には胆嚢摘出術(腹腔鏡下・開腹)、内科的には溶解療法、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)がありますが、溶解療法、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)は一部のコレステロール結石にしか有効でないため、当科では通常行っておりません。胆嚢結石による胆石発作(腹痛)を繰り返している方、急性胆嚢炎や胆嚢結石の落下による胆管結石を発症した方には外科的に胆嚢摘出術を行うことをお勧めしています。

また、無症状の方でも、胆嚢の壁が厚くなっている、胆嚢が萎縮している、大きな結石や多数の結石のため胆嚢の壁を正確に評価することができない、胆嚢の壁が全体に石灰化している(陶器様胆嚢)、などの所見が認められる場合は、胆嚢がん発症の可能性を考慮し、胆嚢摘出術をお勧めすることがあります。

胆嚢結石が原因で急性胆嚢炎を発症した場合、初期治療(絶食、十分な点滴、抗生剤・痛み止めの投与)の後、早期に胆嚢摘出術を行うことが望ましいです。しかし、何らかの理由で早期に胆嚢摘出術を行えない場合、まずは内科的治療(胆嚢ドレナージ術)を行い、その後可能であれば胆嚢摘出術を考慮します。
以下に当科で行っている内科的治療について記載します。

① 経皮経肝胆嚢ドレナージ術(PTGBD)

経皮経肝胆嚢ドレナージ術(PTGBD)

腹部超音波(エコー)ガイド下に経皮的に胆嚢を穿刺し、X線透視下にワイヤーガイドでチューブを胆嚢内に留置し、胆嚢内の胆汁を体外に排出します。最も一般的な方法で、成功率が高く治療効果も確実ですが、出血やお腹のなかに胆汁がもれるリスク、お腹からチューブが出るため患者さんの生活の質(QOL)が低下する、いったん留置したチューブはしばらく抜去できないなどの欠点があります。

② 経皮経肝胆嚢穿刺吸引術(PTGBA)
腹部超音波(エコー)ガイド下に経皮的に胆嚢を穿刺し、胆嚢内にたまっている胆汁を胆嚢が虚脱するまで吸引します。手技が簡便でチューブがお腹から出ない利点はありますが、胆汁がドロドロで吸引できない、結石が胆嚢の出入り口からはずれないなどで、治療効果が不十分な場合があります。
③ 内視鏡的胆嚢ドレナージ(EGD)
内視鏡的に胆嚢内に留置したチューブを、胆管・十二指腸・胃・食道を通して鼻から出すことで胆嚢内の胆汁を体外に排出します。手技がやや難しく、成功率は75%程度です。血液をサラサラにする薬を内服している方や腹水がたまっている方、腹部超音波で胆嚢が見えない方にも行うことが可能です。 内視鏡的胆嚢ドレナージ(EGD)

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